近年、新しい鮎釣りスタイルとして注目を集めているのが「アユイング」です。
専用ルアーとロッドを使って野鮎を狙う釣りで、友釣りのようにオトリを使う必要がなく、手軽にはじめられるとして年々人気が高まっています。
本記事では、アユイングの基本的な釣り方から道具、釣り方まで解説するので、これからアユイングをはじめたい方はもちろん、すでにチャレンジしている方もぜひ参考にしてください。
アユイングとは

アユイングとは、ダイワが提唱しているルアーで鮎を釣るフィッシングスタイルです。
専用ルアーロッドにリールをセットし、オトリの代わりにルアーで野鮎を誘います。
近年ますます注目度が上がっており、アユイングを楽しんでいる人、もしくはこれから始めたい方が急速に増加中です。
また、アユイングを許可している河川も増えつつあり、友釣り人口の減少が叫ばれている中で積極的にアユルアーフィッシングを推奨している漁協組合も多くなってきています。
アユイングの釣り方

アユイングは、一般的なルアーフィッシングとは異なります。
「思いっきりロングキャストし、リールを巻き続ける」といった釣り方ではありません。
ルアーをオトリの代わりに使用する釣りであり、道具こそ違えど「友釣り」を考え方は同じです。
難しいテクニックは必要なく基本ちょい投げで狙えるので、誰でも簡単にはじめられます。
アユイングでは、友釣りと同じく野鮎が付いている石やポイントを狙います。
ロングキャストせず、下流にちょい投げで大丈夫です。
狙ったポイントにルアーを送り込んだら、むやみにリーリングせず野鮎のアタックを待ちます。
追いがなければ、少しずつポイントをずらしましょう。
ルアーをロングキャストしてガンガンとリーリングする釣り方だと、ただの引っ掛け釣りになってしまうので注意してください。
掛かったらロッドを寝かしたまま寄せ、ロッド1本分くらいの距離になったら引き抜いてランディングネットやタモでキャッチ。
ダイワ「アユイング」専用アイテム

ダイワは鮎釣りにもっとも力を入れている釣具メーカーであり、アユイングに必要な道具はすべて揃います。
アユイング専用アイテムとしては、現時点で以下の製品を展開しています。
ロッド

ダイワでは、アユルアー専用の「アユイングロッド」を以下の3シリーズで販売しています。
ハイエンドシリーズ「アユイング EX」

超高密度「SVFナノプラスカーボン」やカーボンフレームのエアガイドシステム「AGS」採用によって、圧倒的な軽さと感度を実現しているハイエンドシリーズです。
上位シリーズ「ネオステージ AY」

アユイング EXが登場するまで最上位モデルだった上位シリーズです。
スピニングとベイト合わせて6モデルと、アユイングロッドでもっともラインナップが充実しています。
エントリーシリーズ「アユイング X」

アユイングロッドでもっとも買い求めやすい価格のエントリーシリーズです。
アユイングロッド比較表
シリーズ | アユイング EX | ネオステージ AY | アユイング X |
グレード | ハイエンドモデル | 上位モデル | エントリーモデル |
ラインナップ | スピニング:1 ベイト:1 | スピニング:3 ベイト:3 | スピニング:1 ベイト:1 |
全長 | 2.97m | 2.74~3.05m | 2.74m |
継数 | 2本 | 2~4本 | 2本 |
重量 | 83~87g | 98~115g | 95~113g |
仕舞寸法 | 152cm | 73~157cm | 141cm |
メーカー希望価格 | 72,000円 | 34,000円 ~ 38,800円 | 19,300円 ~ 24,800円 |
SVF NANOPLUS | ● | – | – |
HVFカーボン | – | ● | – |
SMT | ● | – | – |
MEGA TOP | – | ● | ● |
AGS | ● | – | – |
V-JOINTα | ● | – | – |
V-JOINT | – | ● | – |
X45 | ● | – | – |
BRAIDING X | – | – | ● |
AIR SENSOR SEAT | – | ● | – |
ロッドテクノロジーの特徴
SVF NANOPLUS | SVF(超高密度カーボン)に東レのナノアロイテクノロジーをDAIWA独自の製法で融合し、高強度・軽量・細身化を実現しているカーボン素材。 |
HVFカーボン | レジンを減らしカーボン繊維の密度を高め、パワフルな粘りや強度を重視したカーボン素材。 |
SMT | 超弾性チタン合金を穂先に採用したDAIWA独自技術。金属特有の振動増幅により、カーボンでは得られない高感度を実現。 |
MEGA TOP | 繊維と樹脂が均一に分散したカーボンソリッド素材。全方向に均一な曲がりを持ち、従来比で強度が大幅に向上。 |
AGS | ガイドにカーボンフレームを採用し、チタンの約3倍の剛性と軽さを両立。わずかな信号も吸収せず、ブランクへダイレクトに伝える高感度を実現。 |
V-JOINTα | 高強度素材ナノアロイとDAIWA独自の精密加工技術により進化した継ぎ構造。従来のV-JOINTより強く・軽く・スムーズな曲がりを実現。 |
V-JOINT | 継部にバイアス構造のカーボンシートを採用することで、ワンピースロッドのような歪みの少ない美しい曲がりを実現 |
X45 | 従来の0°・90°構造に加え、±45°のバイアスクロスを採用することでネジレを効果的に抑制。キャストや操作時のブレを防ぎ、パワー・操作性・感度が大幅に向上。 |
BRAIDING X | バットセクション最外層にカーボンテープをX状に巻き付けることで、ネジレを抑えてパワーロスを防ぐ強化構造。細身のまま高強度を確保し、持ち重りを軽減して操作性が向上。 |
AIR SENSOR SEAT | カーボンファイバー入りのリールシート。軽量・高強度・高感度で、汎用リールシートにはない優れた操作性を実現。 |
ルアー
アユイングミノー 94/110 SF

スローフローティングタイプのアユルアーです。
2サイズをラインナップしています。
アユイングミノー 95 SS

スローシンキングタイプのアユルアーです。
ハリス止めからハリスを外さずに長さを調節でき、根掛かりを低減する効果が期待できる「ハリスキーパー」を搭載しています。
アユイングミノー 94SP レーザーインパクト

強いフラッシングで野鮎にアピールする「レーザーインパクト」仕様のアユルアーです。
浮力をギリギリまで減らしたサスペンドタイプにより、水中を漂うようなアクションを演出できます。
アユイングミノーフラット110SF

スリムなフラットボディ採用のアユルアーです。
ショートリップを搭載し、水の流れが緩いポイントに適しています。
アユイングジョイント130S

ジョイント構造を採用しているバイブレーションタイプのアユルアーです。
2つのラインアイを搭載しており、ポイントに合わせてアクションを使い分けできます。
アユイングジョイント110Sレーザーインパクト

ジョイント構造のリップレスタイプにレーザーインパクトを採用しているアユルアーです。
シンキングタイプでボトムを取りやすく、流れの速いポイント攻略で活躍します。
アユイングルアー比較表
品名 | 価格(税抜) | タイプ | サイズ | 重量 | カラー |
アユイングミノー 94/110 SF ![]() | 94mm=1,400円 110mm=1,580円 | スローフローティング | 94mm 110mm | 94mm=8.0g 110mm=11.2g | 8カラー |
アユイングミノー 95 SS ![]() | 1,500円 | スローシンキング | 95mm | 10.0g | 8カラー |
アユイングミノー 94SP レーザーインパクト ![]() | 1,600円 | サスペンド | 94mm | 8.1g | 4カラー |
アユイングミノー フラット110SF ![]() | 2,000円 | スローフローティング | 110mm | 14.8g | 4カラー |
アユイングジョイント 130S ![]() | 2,000円 | シンキング | 130mm | 19.7g | 4カラー |
アユイングジョイン110S レーザーインパクト ![]() | 2,100円 | シンキング | 110mm | 13.2g | 4カラー |
フック

ダイワでは、掛かりの速さとバレにくさのバランスに優れた3本イカリをアユイング用フックとして販売しています。
「SaqSasフック」を採用し、高い貫通力が特徴です。
以下の3タイプから選択できます。
- キープ:掛かったらバレにくい定番タイプ
- パワーキープ:太軸で掛かった後もがっちりとキープし、大型狙いにぴったり
- スピード:針先ストレートの早掛けタイプ
なお、友釣り用の鮎針であれば、どれでも使えます。
ダイワではゲーム性を重視してイカリ針を推奨していますが、チラシやヤナギ、ダブル蝶バリでも釣りは可能です。
ただし、河川によってはイカリ針のみを許可している場合があるので注意してください。

シンカー

アユイングルアーのフックアイにセットできる専用シンカーです。
ワンタッチで着脱でき、ルアーが浮いてしまう流れでアクションを安定させるのに役立ちます。
ケース

アユイングルアーやフック、シンカーをまとめて収納できる専用ケースです。
ネット

アユイングに適した小型軽量タイプのランディングネットです。
尻手ロープ取り付け穴付きで、万が一の流失を防げます。
もちろん、友釣り用に鮎ダモも使えます。

アユイングに関するQ&A
- アユイング専用リールはありますか?
-
現時点で、アユイング専用として販売されていません。
ベイトリールならバス用や渓流用、スピニングリールは2000番か2500番で対応できます。
ダイワでは、ベイトリールに「アルファスBF TW」、スピニングリールに「ルビナス」を推奨しているので参考にしてみてください。
- 鮎タビや鮎タイツは必要ですか?
-
アユイングは友釣りと同じシチュエーションで楽しむため、滑りにくい鮎タビやシューズ、鮎タイツが必須です。
アユイングは浅場で楽しむことが多いので、アンダータイツにハーフパンツを合わせるライトスタイルでも問題ありません。
- どのように釣るのですか?
-
アユイングでは、ルアーをオトリに見立てて使用します。
ですので、ロングキャストして巻き続けるような釣り方ではなく、友釣りと同じく狙った石やポイントにルアーを送り込み、その場で泳いでいるようにアクションさせて野鮎を誘います。
- 安全対策アイテムはありますか?
-
ダイワでは、鮎釣り専用のライフジャケットを販売しています。
なかでも、首にかけるタイプが釣りの動作を妨げないとして人気です。
万が一流された際には、紐を引くと浮力体が膨らむようになっています。
- どのような引き舟がアユイングに適していますか?
-
ダイワの友釣り用引き舟「友舟」シリーズなら、どれでも問題ありません。
浅場での釣りが多いアユイングで機動力を活かした釣りを展開するなら、4.5Lタイプのコンパクトなモデルが適しています。
- アユイングにおすすめのラインは?
-
リールに巻くメインラインは、PEラインかフロロカーボンラインがおすすめです。
感度を重視するならPEラインが適していますが、ショックリーダーを結束する必要があります。
また、伸びのない素材なので、身切れが気になる場合は伸びのあるフロロカーボンラインを選びましょう。
PEラインなら0.6号、フロロカーボンラインとショックリーダーは6lb(ポンド)がスタンダードな太さです。
- アユイングはどこの川でも楽しめますか?
-
河川によっては、アユイングを禁止している場合があります。
また、友釣りと解禁日や可能エリアが異なっている場合もあるため、漁協組合の規則を確認のうえお出かけください。
アユイングにチャレンジ!
アユイングは、友釣りの魅力を引き継ぎつつ、ルアーフィッシングの自由度と手軽さを融合させた新しい鮎釣りスタイルです。
難しいテクニックは不要で、最低限の道具を用意すれば手軽にはじめられます。
河川の規則や友釣り師とのトラブルを防ぐマナーには注意が必要ですが、アユイング可能な河川も増えているので、ぜひ一度チャレンジしてみてください。